身元保証契約書

1 身元保証契約書とは

従業員を雇用する際、入社予定者に身元保証契約書を提出させる企業は多いと思います。

身元保証契約書とは、入社予定者が将来、使用者になんらかの損害を与えてしまった場合(例えば、会社の備品を壊してしまった場合や会社のお金を横領した場合、会社の企業秘密を漏洩させてしまった場合等)、身元保証人がその損害を代わりに賠償するということを内容とする契約書のことをいいます。いわば、素性がわかっていない被用者を雇用するリスクを被用者の身内や知人に負担してもらうための契約ともいえます。

したがって、身元保証契約書は将来、万が一被用者が企業に損害を与えてしまった場合に機能するものとなりますので、きちんと運用できるように、以下では身元保証契約書を作成する上での留意点を解説いたします。

2 身元保証契約の有効な期間

身元保証契約の有効期間は、契約書で期間を定めなかった場合は原則として3年とされています(身元保証ニ関スル法律第1条)。また、契約書において期間を定めた場合でも5年をこえることはできません(身元保証ニ関スル法律第2条)。さらに、自動更新をすることもできません(札幌高裁判決昭和52年8月24日)。

したがって、身元保証契約を5年以上有効なものとして継続するためには、期間満了時に契約を更新するため改めて契約を締結しなおす必要があります。身元保証契約書を作成する際には、有効期間を5年と明記した上で、契約満了時に契約を更新するために改めて書面を取り交わす旨を記載し、あらかじめ更新する予定であることを知らせておいた方が良いでしょう。

3 使用者の通知義務

使用者は、①被用者に業務上不適任または不誠実な事柄があって、このために身元保証人の責任の問題を引き起こす恐れがあることを知ったとき、②被用者の任務または任地を変更し、このために身元保証人の責任を加えて重くし、または、その監督を困難にするとき、には遅滞なく身元保証人に通知しなければなりません(身元保証ニ関スル法律第3条)。使用者が通知をしていなかった場合、身元保証人に損害賠償請求できなくなる可能性があるので注意する必要があります。

4 保証の限度額

2020年4月1日より、民法が改正されたことにより、身元保証契約書において、身元保証人の賠償額の上限を定めなければならなくなりました。賠償額の上限を定めていない身分保証契約は無効となってしまいます。

賠償額の上限をいくらに設定するかについては当事者の自由ですが、あまり安い額では保証の意味がありませんし、あまり高額であれば身元保証人となってくれる人を探すのが難しくなる可能性もあります。

したがって、企業において考えられるリスクを想定し、ある程度妥当な金額を設定する必要があります。なお、保証人の予測可能性を確保するという法の趣旨から、賠償額の上限は数字を明示して明確に記載する必要があります。

5 終わりに

以上、身元保証契約書について解説させていただきました。将来のリスクにそなえるため雇用時に身元保証契約を結んでおくことは重要なことです。身元保証契約書の内容についてお困りの方は当事務所までお気軽にご相談ください。

 

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