ニュースレター
ニュースレター KabashimaLawJournal 2016年8月発行 Vol.8
セクハラについて (弁護士 大野 智恵美)
■ セクハラとは?
セクシャル・ハラスメント(セクハラ)という言葉は、一般的に広く使われていますが、意義としては、「職場において行われる相手の意に反する性的言動」を指します。
「相手の意に反する」となっていますので、時代や社会、性モラルや規範意識、そして相手との人間関係によって、セクハラになるかどうかが違ってきますが、基本的には通常の感覚の人を基準とします。
もっとも、本人が嫌と意思表明していた場合は、本人の意思を基準として判断されることもあります。
■ セクハラになるかも!?/セクハラがあったのか?
スリーサイズなど身体的特徴を話題にする、度を超えた卑猥な冗談を言う、「女には仕事を任せられない」「男のくせに根性がない」などの発言もセクハラに当たりえます。
また、身体を触ったりするなどして、性的な関係を強要することもセクハラですが、問題になるのが、被害者が明確に抵抗していなかった場合です。
加害者から「被害者が自分に好意をもっているので、その気になってしまった。」「被害者は、抵抗する行動をとっていなかったので、セクハラ行為はなかった。」と主張されることがあります。
しかし、裁判例などでは、被害者が抵抗する行動をとっていなかったとしても、加害者が職場の上司であり、仕事を続ける限り、今後も加害者とつきあっていかねばならないことや、被害を公にしにくい性的な被害のものであれば、被害を受けても、ことを荒だてずにその場を取り繕う方向で行動することも十分ありえるとして、被害者が被害直後に身近な人に相談するなどして
いたことも併せて、セクハラがあったと判断されるものもあります。
したがって、被害者が抵抗していなかったことだけで、セクハラではない/セクハラ行為はなかったとは言えないことには注意が必要です。
■ セクハラが発生した場合の使用者(会社)の責任/取るべき措置
使用者(会社)には、雇用契約の付随的義務として、労働者にとって快適な就労ができるように環境を整える義務(職場環境配慮義務)があり、セクハラなどを服務規律で禁止し、その発生を防止するとともに、セクハラなどが発生した場合、直ちに是正措置を講ずべき義務を負っています(関係者からの聞き取り調査、加害者の部署異動、従業員への研修、相談窓口の設置等)。
使用者が義務を怠って被害者に対して精神疾患等のメンタル不全や退職を余儀なくさせた場合には、使用者責任(民法715条)や債務不履行責任(民法415条)を負うことになりますので、従業員のセクハラになりそうな言動を放置しないよう、ご注意ください。
顧問先インタビュー(株式会社大砲:香月均史社長)
1.株式会社大砲の設立経緯について
松﨑(かばしま法律事務所所属弁護士)
久留米市にてラーメン事業を始めたきっかけはどのようなものでしょうか。
香月社長
創業者である私の父が、昭和28年に久留米市の明治通りで一軒のラーメン屋台を始めました。東京のデザイン関係の仕事を辞め、私が正式に二代目として大砲(現在の本店)の厨房に立ったのが平成元年。そして「家業から企業へ」という思いで大砲ラーメンを法人化したのが、翌年の平成2年です。平成3年には最初の直営支店「合川店」を出店しました。
この店は「ジャズが流れるおしゃれなラーメン店」として注目され、一気に女性のお客様が増えました。
2.社会の変化について
松﨑
設立から現在まで、世の中にどのような変化があり、株式会社大砲はそれに対してどう対応してきたのでしょうか。
香月社長
そもそも会社設立当時のラーメン業界は、現在のようにマスコミが取り上げるようなスター店主もいなければ、女性が喜ぶ斬新な店も皆無でした。当然、客層もブルーカラーの男性客が主でした。
そこに風穴を空け、潜在ニーズであった「女性」を刺激したのが前述の「合川店(現在は2代目店舗)」でした。
やがて「ラーメン」は次第にメディアに取り上げられるようになり、あるムーブメントが起き始めました。その火付け役となったのが平成6年に開業した「新横浜ラーメン博物館」でした。これを機に「ご当地ラーメンブーム」が勃発。北海道の札幌・旭川・函館、喜多方、和歌山、徳島、博多、熊本、そして久留米などの全国の「ラーメンご当地」に人が押し寄せました。
従来の旧所名跡巡りではなく「ラーメン」だけを目的に人々が集まるのです。数百年(あるいは千年以上)という長い歴史を持つ我が国のうどん・蕎麦に比べて、明治以降に発祥したまだまだ浅い歴史しか持たない「ラーメン」に、このような劇的な「社会現象」が起きたのです。そこで、この現象を「稀有なチャンス」と捉えた我々が立ち上げたのが、平成11年に開催した全国初の大ラーメンイベント、「ラーメンフェスタin久留米」でした。このイベントは2日間で14万人を集め、やがて5年後の「とびうめ国民文化祭」の目玉事業に繫がりました。
このころより支那そばやの故・佐野実氏や、一風堂の河原成美氏などの「スターラーメン店主」が、各メディアで活躍するようになり、「ご当地ラーメンブーム」から「ご当人ラーメンブーム」へとラーメンムーブメントはシフトしました。
現在では日本政府のクールジャパン政策のいちアイテムをして、日本のラーメン、特に「とんこつラーメン」は世界中を席捲しています。
「食」の世界で、わずか30年程の間に、これほど劇的な変化を遂げたものは、他には知りません。
3.株式会社大砲のこだわり
松﨑
ラーメン造りのこだわりについてお聞かせください。
香月社長
何と言っても全店手作りの「呼び戻しスープ」です。呼び戻しとは、創業以来スープの釜を空にすることなく、毎日・毎時間・毎分、少しずつ新しいスープを古いスープに継ぎ足しながら良いスープを作り込んで行くことです。決して前日の残りスープと合わせるだけという単純なことではありません。
その日の売れ具合に合わせて火加減を調整しながら絶妙なタイミングで絶妙な量のスープを継ぎ足していくのです。
また一般的なラーメンチェーンが採用するのが「セントラルキッチン方式」です。要は一カ所のスープ工場で作り上げたスープが各支店に配送され、店舗で暖めて商品としてお客様に提供するというもの。大砲では、その方式は一切採用せず、全店舗手作りを守っています。その分、スープ作りの技術の習得には何年もの修行が必要になるので、新店の出店ペースは3〜5年程のスパンになってしまいます。「セントラルキッチン方式」であれば、素人レベルでも店舗でラーメンが作れますので、1年に何店舗も出店できます。「経営効率」だけを優先するならそれがベストでしょう。しかし我々「大砲」はその暖簾を掲げる以上、「最高の手作り品質」を全てに最優先させています。
余談ですが、このことを知っていたミシュランガイドの調査員たちが私共を選び、「2014ミシュランガイド福岡・佐賀特別版」にて、大砲4店舗が掲載(うち2店舗はビブグルマン)されました。とんこつラーメン専門店では世界初の快挙とも言われています。
4.人材育成について
松﨑
そうするとたくさんのスープ職人が必要になると思うのですが、人材育成が大変ではありませんか。
香月社長
はっきり言って大変です。これも前述と重複しますが、セントラルキッチン方式のチェーン店は正社員は店長のみ。あとは全てパート・アルバイトで店舗は運営されているようですが(夢のような低人件費)、大砲の店舗には何年も修行した職人社員が必要です。それも何人も。
全ての作業・接客等に関しては全てマニュアルがあり、常に改訂されていますが、ことスープ作りに関してのマニュアルはありません。機密保持でも何でもなく、マニュアルを作りようがないのです。従って新人には、技術を持つ先輩職人のそばに張り付かせて、その新人の五感に技術をすり込んでいくしかありません。
先ほどから「職人」という言葉が何度も出てきていますので「企業」のイメージが薄らいだのではと、少々危惧しましたのでもう少し説明させていただきます。大砲の社員たちは言わば「マルチ職人」です。ただの「ラーメン馬鹿」では勤まりません。企業理念の実践と、就業規則も全ての規定も、技術と同時にアタマにすり込まねばなりません。また、稟議起案から各種報告書にいたるまで、全てパソコンにて行われます。
その背景には、私が20代後半の頃の、某大手外食企業の広告の仕事をやった経験にあります。そのとき強く感じたのは「なるほど企業とは、本社から末端の営業店に至るまで、これほどまでのシステムの構築が必要なのか。しかし何か味気ない。でも、もしかしたら、私の父のラーメン技術、それも手作りの技術と、このような企業運営のシステムが融合すれば、素晴らしいラーメン店ができるのでは?」という思いが芽生えました。やがてそれは確信となり、平成元年、私は帰省し、正式に2代目に就任したときから、その志を実践し、現在に至っております(これも余談でした)。
5.かばしま法律事務所に期待するサービ スの内容や対応
松﨑
かばしま法律事務所には、どのようなサービスを期待されますか。
香月社長
当社は、1日に何千人ものお客様を迎える飲食店です。気を付けていても、日々、各店舗では何らかのトラブルが起こります。
また、当社のような外食産業では、著作権等、知的財産関係の紛争も生じかねませんし、先ほど申し上げた通り、人財確保のためには労務管理も重要です。
そのような中、かばしま法律事務所さんには、幅広い法的知識をもとに、機動的かつ柔軟なサービスを今後も頂ければと思っています。
松﨑
本日はお忙しい中インタビューに応じて頂き、本当にありがとうございました。今までも大砲ラーメンが大好きだった私ですが、本日の社長のあついお話をお聞きして、さらに大砲ラーメンが好きになりました。今後とも、公私共々宜しくお願いします!
弁護士雑記:弁護士 泊祐樹
■はじめに
弁護士の泊祐樹です。
平成28年5月に新婚旅行でアメリカ合衆国のフロリダ州にありますウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート(以下、「ディズニーワールド」といいます)に行ってきました。今回はこのデイズニーワールドについて紹介させていただきます。
■場所
フロリダ州は、アメリカ合衆国東南部の州です。メキシコ湾と大西洋に挟まれるフロリダ半島の全域を占める、北部と中部が亜熱帯、南部は熱帯に属している温暖な気候の州です。
ディズニーワールドは、そのフロリダ州のオークランドという都市にあります。
■概要
ディズニーワールドは、4つのディズニーパーク、2つのディズニーウォーターパーク、6つのゴルフコース、レースサーキット、20のリゾートホテル等を内包する世界最大のアミューズメントリゾートです。約122km²という広大な敷地内は、東京の山手線の内側2つ分が丸ごと入ってしまうほどなのだとか。とにかく広かったです。
テーマパークの域を超えて、アメリカ文化の象徴としての側面も持っており、長年、世界一の入場者数を誇っているそうです。
■構成
日本にはディズニーランドとディズニーシーという2つのパークがあるように、ディズニーワールドは4つのパークがあります。①魔法の王国がテーマのマジックキングダム、②未来の生活と世界旅行がテーマのエプコット、③映画がテーマのハリウッドスタジオ、④世界の動物や恐竜、秘境がテーマのアニマルキングダム、以上の4つです。
■感想
丸々1日をアメリカで過ごせるのがちょうど4日間だったので、1日1パーク周り、全パークを制覇して参りました。とにかく広く、歩き疲れましたが、アトラクションの待ち時間も日本のディズニーパークほど長くはなく、サービス精神旺盛なキャストばかりで、とても充実した時間を過ごすことが出来ました。
各パークでミッキーと写真撮影をするべく会いに行ったのですが、すべてのパークでミッキーの衣装が違うことはもちろん、しゃべるミッキーもいて驚きました。日本人です、というと、「こんにちは!」「写真!」などと、あのお馴染みの高い声で話してくれ、感動は筆舌に尽くしがたいほどでした!
また、バリアフリーに関しての整備も行き届いていて、車いすの方でも楽しめるよう、道幅やアトラクションの構造などに配慮がされていました。さすが、世界一の入場者数を誇るテーマパークは細部への配慮が違うな、と思わざるを得ませんでした。
またいつか、子供を連れて行きたいなー、と考えているところです。
夢の国好きにはたまらないこのディズニーワールド、みなさんもぜひ行かれてみて下さい!