弁護士コラム

定期金賠償の最高裁判例

1 はじめに

 

 

今回は、昨年7月9日に出ました、いわゆる定期金賠償に関する最高裁判例について、紹介したいと思います。

2 事案の概要

本件は、交通事故によって怪我をし、後遺障害が残ったXさんが、加害車両の運転者Y1・保有者Y2・保険会社Y3に対して損害賠償の支払を求めた事案です。

Xさん(当時4歳)は、道路を横断していたところ、Y1が運転する大型貨物自動車に衝突される交通事故に遭いました。Xさんには、本件事故により高次脳機能障害という後遺障害が残りました。

そこで、Xさんは、後遺障害による逸失利益(将来働けなくなったことによる収入喪失の損害)として、18歳から67歳までの間に取得すべき収入額を、その間の各月に、定期金により支払うことを求めました。これを定期金賠償といいます。一括で支払ってもらうのではなく、毎月●万円支払うよう求めるものです。

3 最高裁の判断

最高裁は、「交通事故の被害者が事故に起因する後遺障害による逸失利益について定期金による賠償を求めている場合において、相当と認められるときは、同逸失利益は、定期金による賠償の対象となる」との一般論を述べ、本件のXさんについても定期金賠償を認めました。

4 解説

交通事故において、損害賠償金は一括で支払ってもらうことが圧倒的に多いですが、本件で問題となった逸失利益や、介護に要する費用については、毎月●万円というように定期的に支払うという方法が提案されることもあります。そして、本判例は、後遺障害の逸失利益について、一定の場合にはそれが認められるとしたものです。

ただし、

①被害者が亡くなった事案ではなく後遺障害が残った事案であること

②後遺障害の内容が高次脳機能障害という重い障害であること

③被害者が事故当時4歳と幼年で、67歳になるまでに様々な事情の変化がある可能性があったこと

といった点に留意する必要があります。そのため、どのような事案でも、逸失利益について定期金での支払が認められるということにはなりません

5 さいごに

以上のように、交通事故の損害をどのように支払ってもらうかということは理論的に難しい問題を含んでおり、専門的な判断が必要になり得ます。

この点についてお困りの方は、当事務所までお気軽にご相談下さい。

 以上

 

 

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